いつもロッテオンラインショップ「私と珈琲」メルマガをご愛読頂きありがとうございます。今回で9回目となります。
先日、原宿にあるロースターに行った際、ドライオンツリーという精製方法を初めて見かけました。
通常、コーヒーの実は熟したら採るのですが、ドライオンツリーは熟しても採らず乾燥するまで樹上で栽培することで、甘味を実に凝縮する方法とのことです。
私もまだまだ知らないことがあるので、この「私と珈琲」メルマガを通して、皆様と一緒にコーヒーを探求していけたら嬉しいです。
さて、今回の内容は、GPの実(じつ)さんが得意とする「ブレンド」についてです。
とても面白い内容になっていますので「ハウスブレンド〜お客様の口に届くまでの道のり〜」を最後までお楽しみ下さい。
G☆P COFFEE ROASTER
-
東京都渋谷区本町2-28-4
Business Hours
月・火・木・金 11:00 - 20:00
土日 10:00 - 20:00
定休日: 水曜日深煎りの自家焙煎を常時6種類以上揃えペーパードリップの他、ネルドリップも味わえるお店です。 レコードがかかる隠れ家的雰囲気で頂くコーヒーは格別です。
-
GPさんは季節ごとにブレンドを出していて、そのコンセプトが毎回面白いなと思っています。実さんが得意とするこのブレンドですが、どのような方法があるのでしょうか?
-
大きく分けて2通りあり、GPでは産地ごとに焙煎した豆を後から組み合わせるアフターミックスという方法を行っています。
-
たしか生豆の状態で組み合わせて、焙煎することをプレミックスって言いましたよね?アフターミックスとプレミックスの特徴を教えてください。
-
アフターミックスは配合する豆の種類だけ、焙煎しないといけないので手間と時間はかかります。ですが、豆の特徴を最大限活かす焙煎をしてからブレンドするので、個性がある味わい深い香りに仕上げることができます。
ただ、ブレンドを間違えると個性がぶつかり合い、まとまりがなくなってしまうので注意が必要です。
-
アフターミックスは数種類の豆をまずは焙煎しないといけないのでGPさんのように豆の卸をしていないと難しいですよね。
もう一つの方法、プレミックスについて伺ってもいいですか?
-
プレミックスはまとめて生豆を焙煎するので豆色が均一になりやすいです。
その為、味も毎回同じようになり、ブレがない仕上がりです。
ですが、豆の堅さはそれぞれ違うので、例えばグアテマラは堅く、ブラジルは少し柔らかいので、同じように焙煎するとブラジルに火が入り過ぎてしまうということがあります。そうなると、似たような豆しか一緒に焙煎出来ず、出来上がりも個性がないので私はあまり面白くないと感じます。
-
プレミックスは一度に全てを焙煎するので大量生産に向いてますね!
プレミックスに向いていない豆はありますか?
-
普通ならコーヒーチェリーの中にコーヒー豆が2つ入っているものが1つしか入ってない「ピーベリー」や グアテマラの標高1,350m以上で収穫される最高品質の「SHB」はとても堅く、プレミックスだとそれだけが生焼けになる場合があります。
-
そういうことも気にしないと均一には焙煎できないということですね。
ブレンドって組み合わせ次第で様々な個性を引き立てることができるので、店主のこだわりを感じます。
-
そうですね。うちでも季節ごとにブレンドを作っているのですが、どのようなシチュエーションで何と一緒に召し上がられるかを想像し、豆の個性を理解した上で、ブレンドしています。
-
豆の個性を理解した上でという前提条件は大切なことだと思います。
先日余った豆を自分で何も考えずに合わせたのですが、ぶれぶれな味になってしまいました。自宅で余った豆を使って、美味しくブレンドするコツはありますか?
-
まずは焙煎度合いをなるべく合わせることですね。
浅煎りと深煎りは混ぜないということです。
それとブラジルやコロンビア、ニカラグアなど中南米の豆の比率を多くして、アフリカの豆は風味付け程度の割合に抑えることです。
-
なぜ中南米の豆をベースにすると良いのでしょうか?
-
中南米はアフリカのものと比較して、苦味と甘味のバランスが良く、コーヒーっぽさを感じられるものが多いのでベース向きですよ。
アフリカの豆は個性が強いので、面白いブレンドを作る時には使用しています。
-
そういう特徴があるんですね!
自分でブレンドしてみて、もう少しインドネシアを多くすれば良かったなーなど遊び感覚でやってみるのは面白そうです。
- 皆さんもまずは余った豆でチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
私は早速、今週末ブレンドしてみます!